品詞

品詞(2)

解説

□名詞と動詞

名詞、形容詞、動詞、副詞について説明していきます。まずは、もっとも大切なのが名詞です。目の前を見ると、いろんなものがあります。パソコン、本、ペン、ケイタイ電話、ガム、辞書、窓、花、木、空……などなど、生物も無生物もすべて目に見える「もの」は名詞です。目に見えないもの、例えば、自由・平等・博愛といったように人間の頭にある抽象的な概念、つまり、自由(他からの強制・拘束・支配などを受けないで、自らの意志や本性に従っていること)のような「こと」も名詞です。注意してほしいことは、自由は見えないということです。自由な人は見えますが、自由、そのものは見えません。
さて、名詞、例えば、人間という名詞を考えてみると、人間はいろんなことをします。歩く、走る、跳ぶ、なく、笑う、怒る、しゃべる、聞く、見る……このように、名詞が「〜する」という意味をあらわす単語を動詞と呼びます。歩く、走る、跳ぶ、なく、笑う、怒る、しゃべる、聞く、見る……は、ローマ字に直して、aruku, hashiru, tobu, naku, warau, okoru, syaberu のように、u という音で終わっています。言い切りの形が「ウ段」で終わるわけです。
文は、名詞と動詞があればできます。花が咲く。犬が走る。ネコが寝る。目が光る。……こんなふうに基本的な文は名詞と動詞があれば可能なのですが、例えば、花が咲く。だけでは、それほどくわしい情報はわかりません。どんな花が、どんなふうに咲くのかがわかりません。「どんな」や「どんなふうに」を付け加えればかなりくわしい文ができます。これが形容詞と副詞です。

□形容詞と副詞

(  )花

(  )に入ることばを考えてみてください。名詞である花だけでは、どんな花なのかわかりません。赤い、白い、黄色い、かわいい、めずらしい、などなどいろんなことばが入るでしょう。すべて「い」で終わっています。このように名詞がどんなものなのかをくわしく説明するための単語を形容詞といいます。(  )には、「〜い」だけではなく、「この」「私の」などという単語を入れることもできます。だから、「この」や「私の」も形容詞と考えてだいじょうぶです。(ただし、「この」にあたる this 、「私の」にあたる my は、参考書ではそれぞれ指示形容詞と代名詞としてありますが、大きく形容詞ととらえたほうがいいでしょう)

(  )咲く

のところに入る名詞以外のことばを考えてみてください。赤い、白い、黄色い、かわいい、めずらしい、といった形容詞は入らないでしょ? ×赤い咲く ×白い咲く こんな日本語はありません。それぞれ、赤く咲く、白く咲くというはずです。一口に「咲く」といっても、いろんな咲きかたがあります。早く咲いたり、遅く咲いたり、きれいに咲いたり……、こんなふうに、動詞をくわしく説明する単語があって、それを副詞といいます。
動詞を説明するのが副詞、ということでいちおうはいいのですが、もう少しくわしく言うと、例えば、

(  )赤い花

とある場合、(  )に入る言葉、これも副詞といいます。例えば、とても、かなり、非常にというように「赤い」の程度を表す単語です。動詞を説明するだけではなく、形容詞を説明するのも副詞だということです。さらに、副詞は、他の副詞を説明したり文全体を説明したりもするので、名詞以外のものを説明するのが副詞、とおぼえておくのがいちばんいいでしょう。

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