文字と発音のことについて――。英語をはじめたばかりのときは、単語のつづり字を覚えるのに苦労するはずです。日本語のひらがな、かたかなのように
ほぼ発音と文字とが対応しているのとはちがい、同じ文字が何通りにも発音されたりします。例えば、日本語では、「か」という文字は、「
かき」でも「しゅう
かい」でも「き
かがく」でもどんな場合でも、同じように「か」と読みますが、英語の場合はそうではありません。例えば、同じ、oo でも、
このように3通りの読まれ方をするわけです。つづり字(文字)と発音が1対1で対応していないのです。反対に、発音と文字が1対1対応していないともいえます。日本語では、[ka]という発音なら、「か」か「カ」と書くのですが、英語は、[i:] という発音でも、いろんな書き方があります。
[i:]と発音されるつづり字 |
she sea see piece ceiling machine key people |
これらの単語を知らなくても、中1の人はまだ覚える必要はありませんが、同じ発音でも、いろんなふうに書かれることを理解しておいてください。
ここまで書くと、英語ってたいへんだな、と思うかもしれません。なにしろ、その単語をどう読むかは、発音記号を確認しなければわからないのですから。ローマ字のようにそのまま読むことはできないのです。しかし、ある調査によると、一見、不規則に見える英語のつづりですが、英単語の85パーセントは規則的なものらしいです。例えば、
たとえば、
hate kite use eve hope
というような単語があります。もちろん、中学一年生ではほとんど習っていない単語ばかりでしょう。しかし、ある法則さえ知っていれば、読めるはずです。
以下のような単語を比べてみれば、なにか法則性が見えてこないでしょうか?
hat |
→ |
hate |
kit |
→ |
kite |
us |
→ |
use |
them |
→ |
theme |
hop |
→ |
hope |
左の列の単語はすべて aiueo のうちのどれか+子音(aiueo
以外)で終わっています。右の列の単語はどれも、
aiueo のうちのどれか+子音+ e で終わっています。つまり、ちがいは
e があるかどうかだけです。(ever は別ですが)
と、
です。実は、英語では、このように、a i u e o にアクセントが置かれて、その直後が「子音+ e 」のとき、その a i u e o は
アルファベット読みします。アルファベット読みというのは、ABCDEFDGHIJK ...のように読むということです。つまり、a は、「エイ」、i は、「イー」、u は「ユー」、e は「イー」、o は「オゥ」となります。
それぞれの単語を発音記号を使って表すと以下のようになります。
hat |
|
→ |
hate |
|
kit |
|
→ |
kite |
|
us |
|
→ |
use |
|
them |
|
→ |
theme |
|
hop |
|
→ |
hope |
|
このようなことがわかっていれば、以下のような知らない単語でもある程度読めるのではないでしょうか?
take, blade, flame
hide, time, bike, side
cute, tuke, tune
eve, eke, theme
smoke, rope, note
もちろん、この規則はすべての場合にあてはまるわけではありません。おそらく、ここまで読んだ人は、それなら love や glove はどうなんだ? [ou] とは発音されないじゃないか、というかもしれません。上の例のように、語末が -ve で終わる単語(have, live, love など)は例外となります。
また、machine [マシーン], marine [マリーン], police [ポリース] のような単語は、この規則なら、i はアルファベット読みしなければいけないのに、「イー」と伸ばして読んでいます。
たしかに、これは例外なのですが、しかし、それにもそれなりの説明があります。どうしてかというと――。