答えあわせをしてみてください。黄色でマークしてあるところが正解です。
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A 次の問い(問1〜5)に対する答えとして最も適当なものを、それぞれ下の@〜Cのうちから1つずつ選べ。
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問1 特にどんな点から、ミミは初めてのデートを不安に思っていることがわかりますか?
@ 準備をするのにそんなに長い間かかってしまったことが自分でもほとんど信じられないことから。
A 用意ができるまでロバートを長く待たせたことから。
B 彼女は自分がかわいく見えるように、長い時間をついやしたことから。
C ロバートが黄色いセーターを気にいってくれるかどうか何度も迷ったことから。
問2 ミミが家の中にチーズを持って入ると何が起こりましたか?
@ 最初、それが他の人の家だということに気がつきませんでした。
A それはチーズを届けなければいけない家ではありませんでしたが、家の番号は正しいものでした。
B 違う人が玄関に出てきました。
C トンプソン家にはだれもいませんでした。
問3 どうしてミミはダンスホールにチーズを持って行ったのですか?
@ ロバートはダンスパーティに行く途中、チーズのことは何もいわなかったから。
A どこにも置いておくところが見つからなかったから。
B チーズはすずらんよりもにおわないと思ったから。
C コートをかけておく部屋は人でいっぱいだったから。
問4 赤毛の男の子がロバートににおいのことを聞いたとき、どうしてミミは息をとめたのですか?
@ チーズのにおいに耐えられなかったから。
A ロバートがそのひどいにおいに気がつくのではないかと思ったから。
B ロバートがチーズのことをしゃべるのではないかと思ったから。
C ロバートが退屈しているように見えるのを心配したから。
問5 ロバートが、「チーズって? なんのこと?」というのを聞いたとき、ミミは、おそらくどう感じたでしょう?
@ もうロバートと二度とデートがでないのではと思いました。
A ロバートが本当に自分のことを思っていることがわかったので、うれしかった。
B ロバートがそれがどんな種類のチーズかを知りたがったので、うれしかった。
C ロバートがチーズのことを忘れてしまっていたので、うれしかった。
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B 次の@〜Hのうちから本文の内容と合っているものを3つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。
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@ ミミは母親のためにそのお使いをすることをしぶしぶ承諾しました。
A ミミの母親はロバートのことが気にいらないので、ミミにリンバーガー・チーズを渡しました。
B ミミがデートをするのはこれが初めてでした。
C ミミは手を洗ったけれども、においはまだとれませんでした。
D ロバートが目を閉じてダンスをしているのを見て、ミミは不安に思いました。
E 赤毛の男の子は自分が見つけた靴からそのにおいがすると思いました。
F ロバートはミミに小声で、どうしてにおいがしないと言ったのかを説明しました。
G ロバートはその晩ずっと一度もにおいのことで文句を言いませんでした。
H 月はリンバーガー・チーズの一切れそっくりでした。
次の文章を読み、下の問い(A・B)に答えよ。
「ママ〜、行ってきま〜す」
ミミは、隣の食料品店にいる母親に声をかけました。
今日は初めてのデート――。ロバート・ローバーがミミをダンスパーティにむかえに来てくれたところでした。これがほんとうのことだなんて、ミミにはほとんど信じられませんでした。
長い間、何度も何度も何を着ていけばいいか迷った末、結局、一番お気に入りのブラウスを着ていくことに決めました。
で、そこへロバートがやって来たというわけです。ミミはロバートがとてもかっこいいと思いました。髪をきちんとととのえて、黄色いセーターを着ていました。初めて見るセーターです。ミミはうきうきしていました。
外に出ると、ミミの母が店からとびだしてきて、ロバートに挨拶をしました。そして、ミミに白い紙で包んだものを渡しました。
「サリー・トンプソンさんにリンバーガー・チーズをとどけてちょうだい。今日、輸入品が1ケース入ったのよ。サリーに今晩配達するって約束したの」
「こ、今晩って――」
ミミはチーズを見ていいました。「明日じゃだめなの?」
「悪いけど、約束してしまったのよ」 お母さんがいいました。「それじゃ、ダンスを楽しんでらっしゃい」
「ロバート、行きましょ」
ミミはいいました。
生まれてはじめてのデート、それもロバートとのデートだというのに、大きくてへんなにおいのするチーズが入った箱を押し付けられたのです。彼女はそれを忘れようとつとめました。
今、私はロバート・ローバーとダンスパーティに行くところなのよ、ミミは心の中で思いました。
ロバートを見上げると、
「そのチーズ、におうね」
と、ロバートはいいました。ミミはチーズをロバートからなるべく離しました。だけど、そのにおいが腕からはいあがってくるような感じがします。
二人は、モンカーム通りにやってきました。ミミはその家の番号を知りませんでしたが、一度通ったことがあるので、見ればわかると思いました。
「あ、ここよ」
ドアベルを鳴らしましたが、だれも出てきません。――と、インターフォンの下にある名前がトンプソンとなっていないことに気がつきました。
家を間違ったのです。
――はずかしいわ。
ミミは思いました。
チーズをコートのポケットに入れて、ロバートのところにもどりました。
「間違ったみたい」 彼女はいいました。「ここだと思ったんだけど」
「どうする?」
ロバートがききました。
ミミはくちびるをかみました。
チーズを家に持って帰ることもできないので、チーズを持ってダンスパーティに行くしかありません。
「行きましょ」
ミミはいいました。
なんだかとてもみじめで、ほかに言うことを思いつきませんでした。二人はその後ずっとだまって歩きました。そのおもくるしさは、チーズのにおいのようでした。
ダンスパーティの会場に着いたとき、もう人でいっぱいで、コートをかけておく場所もありませんでした。
ミミは手を洗いたいと思いましたが、ロバートがミミをダンスフロアまでひっぱっていきました。
ミミは、ロバートがすずらんのようないいにおいがすることに気がつきました。なのに、自分はリンバーガー・チーズのにおいがするのです。
ミミは心をこめてダンスをしました。ロバートは目を閉じていました。
――たぶん、私のことと、このにおいをわすれようとしてるんだわ。
ミミは思いました。
しばらくして、二人は軽い食事ができるところで休みました。飲み物を飲んでいても、なんだかロバートはミミのほうを見つめてくれません。
――退屈なんだわ。
彼女は思いました。
――もう最悪。
そのころまでにミミのポケットから立ちのぼる強烈なにおいがひどくなっていました。
赤毛の男の子が立ち止まってロバートに話しかけました。「だれだ、ここで靴を脱いだのは?」
男の子はききました。
ミミの気持ちはしずみました。
「何かへんなにおいがするよ」
赤毛の男の子がいいました。
ミミは息をとめました。ロバートを見ることができませんでした。
「においなんてしないけど」 ロバートはいいました。「ミミはどう?」
一瞬、ミミは聞き間違ったのだと思いました。ロバートは意味ありげにミミにほほえみかけました。ミミはびっくりしてロバートを見つめました。
「ええ、においなんてしないわ」 彼女はなんとかそういいました。
「気のせいだよ」
ロバートがその男の子にいいました。
ミミは耳をうたがいました。そして、大笑いしてしまいました。
やったあ。ロバートは、味方をしてくれたのです。突如、チーズのことは、二人の間で「秘密」になりました。
ダンスパーティから帰るとき、外は静かでした。
二人はいっしょに踊った曲をくちずさみながら、寄り添ってあるきました。
月は空高く、薄く細くなり、二人の頭上で心地よい舟のように浮かんでいました。
「チーズのこと、ごめんなさい」
ミミはいいました。
「チーズって? なんのこと?」
ロバートがほほえみました。