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▼manaさん:
>窓は透かして見ることができないほど汚れてはいなかった。
>問題文 The window was ( ) to see through. [明治大]
>正解 hardly too dirty
>貴方の答え dirty enough
>以下の選択肢のどこが間違っているのでしょうか?
>どなたかご教授お願いします!
>1.hardly too dirty
>2.dirty enough
>3.hardly dirty enough
>4.barely dirty enough
この問題は、かなり問題があります。はっきり言ってしまえば、間違いです。同じ問題が、英文法・語法のトレーニング 1 戦略編(Z会)と精選英文法・語法問題演習(旺文社)でも取り上げられています。参考のため、それぞれの解説を載せておきますが、この問題は問題集から削除すべきだと思います。
「窓は透かして見ることができなほど汚れてはいなかった」dirty (汚れている)とsee through (透かして見える)の関係を考えると enough to ... は不適当。
――英文法・語法のトレーニング 1 戦略編(Z会)
「窓は透かして見ることができないほど汚れていた」なら too dirty to see through になる。これを否定するときに not より弱い hardly を用いた形。not too ... to 〜の形と同じに考える。
――精選英文法・語法問題演習(旺文社)
もう1つ頻出英文法・語法問題1000(桐原書店)でもこの問題が取り上げられていますが、こっちのほうは、この問題の間違いに気づいたらしく、選択肢を以下のように変えてあります。解説は以下のとおりです。
(1)dirty enough
(2)barely dirty enough
(3)hardly dirty enough
☆(4)not too dirty
その窓は、通してみることができないほど汚れてはいない。
not too ... to do は、too ... to do 全体を否定する表現。したがって、「とても…なので〜できない、ということはない/〜できないほど…ではない」の意を表す。
――頻出英文法・語法問題1000(桐原書店)
わかりにくい文だなと思って、ネイティブの意見を聞いたら、やはりだめだということでした。また、
これでいいのか大学入試英語 上 Gareth Watkins 河上道生 小林功・著 大修館書店
という本には以下のように書いてあります。そのまま引用します。
どれも答えにはならない。4が意図された答えだと思うが、これでは非常にまずい文になる。
受験英語では、hardly が not の同意語と扱われる。(たとえば、長文の内容と一致する問題には、出題者が本文のある否定文を hardly を使って書き換えることがよくある)これは完全な間違いである。
A He was hardly in time for the train.
(= He was only just in time ...)
Aでは電車に乗れたことがわかるが、Bの not が入った文はその反対の(間に合わなかった)意味を表わす。
B He was not in time for the train.
この例文から分かるように、hardly は not の意味にならない。
だから、次の文は正しいが、
【例1】The window was not too dirty to see through.
次の文は意味がない。
【例2】The window was hardly too dirty to see through.
仮に意味があるとしても、上の文と反対の意味を含意する。
――これでいいのか大学入試英語 上 Gareth Watkins 河上道生 小林功・著 大修館書店
ということで、この問題は削除することにしました。
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