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▼kathyさん:
>このサイト内の文法問題で、以下の問題がありました。
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>Mike says that he locked the door before he left the office, and I don't doubt ( ) he did.
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>正解はthatとのことですが、私はwhatが正解だと思います。どなたか正解の解説をしてもらえないでしょうか。
以下のとおりですが、解説は高校生向けに書いてありますので。
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Mike says that he locked the door before he left the office, and I don't doubt ( ) he did. [大阪学院大]
(1)if
(2)as
(3)why
(4)what
☆(5)that
●和訳 マイクは彼は事務所を出る前にドアの鍵をかけた言っている。ぼくも彼がそうしたと思う。
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正解 233人 40.3% that
誤答1 106人 18.3% if
誤答2 51人 8.8% as
誤答3 35人 6.0% why
誤答4 152人 26.3% what
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■解説■ doubt は「2つ(double)の心を持つ」という意味から、「2つのうちどっちを選ぶか迷う」とうのが元々の意味です。難問。(4)what を選んだ人が26.3%いました。おそらく空所の後の he did の目的語がないので(いわゆる不完全な文)、空所には名詞が入るので関係代名詞の what を選んだのだと思います。しかし、he did の後にどうして目的語が欠けていると言えるのでしょう? たとえば、A man doesn't care such a thing, but a woman does. {男はそんなことを気にしないが、女は気にする。} ・I didn't expect her to come, but he did. {私は、彼女が来ると思っていなかったが、彼は彼女が来ると思っていた。} の does / did も目的語がありませんから、おかしいということになります。実は、このような do, does, did は代動詞と呼ばれるもので、前に出た動詞(+目的語、補語など)をもう一度繰り返すのをさけるために用いられるものです。例文だと、上の文では、does = cares such a thing のことですし、下の文では、did = expected her to come ということです。問題文の did もこの代動詞で、反復回避をしないで繰り返してみると、... and I don't doubt ( ) he locked the door before he left the office. ということになります。これがわかれば、空所の後は完全な文になっているので、(4)what が×だとわかります。後は、doubt の語法を知っていればわかるでしょう。doubt の後には whether [または、if] か that が入ります。その違いは、 ・(a) I'd like to know (whether=if) he is married. ・(b) I know (that) he is married. です。つまり、(a)では話し手は彼が結婚しているということを事実だと確信していないので、whether=if を用いてます。確信していたら、「知りたい」とは言わないでしょう。そもそも whether=if は元々は疑問文だったものを間接疑問文にしたものです。それに対して、(b)は、that を用いていますが、これは話し手がその内容に確信をもっているからです。すると、問題文にこれを当てはめてみると、I don't doubt ( ) he did. と「疑ってない」つまり確信していると言っているわけですから、空所には、(5)that が入ることになります。学習参考書では、この辺のことを簡単に、 ・肯定文で――、doubt whether [if] 〜 「〜かどうかを疑問に思う、〜であるとは信じられない」 ・疑問文か否定文で――、don't doubt that 〜 「〜でないと思う」 と説明してあります。 さて、ここまで説明しても、おそらく、納得できない人もいるでしょう。特に、空所の後が不完全な形なので、I don't doubt (what) she did. でいいのではないか、――と。たしかに、doubt は what 節を目的語としてとれます。例は多くないですすが、検索してみると、 ・If you doubt what is said here, research it for yourself. {ここで言われていることを疑うなら、自分で調査しなさい。} というような文がヒットするでしょう。しかし、問題文で、もし、Mike says that he locked the door before he left the office, and I don't doubt (what) he did. としてしまうと、「彼がしたこと=彼の行いに疑念を持っていない」ということになって、「彼がドアの鍵をかけたことを疑わない」という意味にはなりません。これは、I know what he said. と I know that he said so. の違いでも同じことです。両方とも「こと」と訳せますが、中身は違います。 以上、長々と書きましたが、このような難問(正解率が40パーセントですから)に関しては、できなくてもかまいません。わからないから、あせってしまうよりも、これはこういうものだとして、とにかく、文としてそのまま覚えてしまうのも1つの賢明な方法です。大学入試に限って言えば、 doubt について問われることは、doubt の後に that を入れるか whether [または if]を入れるかだと割り切ってしまってかまいません。大切なことは、doubt を含む主節が肯定形であれば whether か if 、否定形・疑問形であれば that であると覚えておけば十分です。実際、doubt の後に what を選ばせる問題はありませんから。 ■例文■ ・Some people fear that World War III may break out soon, but I (doubt if it will). [センター] {第三次世界大戦がもうすぐ起こるのではないかと危惧する人もいるが、わたしは、そうは思わない。} ・I don't doubt (that) he will win the race. [高岡法科大] {私は、彼がきっとレースに勝つと思う。} ・I have no doubt (that) he is a good student. [城西大附川越高] {彼がよい生徒であることに疑いは持ってない。} ・ I doubt whether [if] he will succeed. {彼は成功するかどうか怪しい(▼ifのほうがくだけた言い方)} ■参考■ 同じように「疑う」と訳される動詞で suspect がありますが、doubt = don't think、suspect = think だと覚えておけばいいでしょう。 ・I doubt that he is guilty. {彼は有罪ではないと思う} ※doubt = don't think という意味のときは、that も可。 ・I suspect that he is guilty. {彼は有罪だと思う}
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