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▼jackさん:
>こんにちは。いつも迅速で丁寧な解説ありがとうございます。すみませんが、また質問させてください。
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>英検の、検定試験アットランダム 標準モード問題で、
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>和訳 その地域はいたるところ干上がったし、雨がふる気配もなかった。
>問題文 The region all around was parched, ( ) any sign of rain. [英検1級]
>正解 nor was there
>
>というのがありますが、前の節で否定の言葉 not とかneither などがないのに nor が使われるのは、どうも違和感があります。
>
>同じ、英検の検定試験アットランダム 標準モード問題の
>
>訳 スミス夫妻は帰宅途中に交通事故にあったが、それほどひどい怪我ではなかったし、車も大金がかかるような損害ではなかった。
>問題文 Though Mr. and Mrs. Smith were in a traffic accident on their way home, they were not seriously injured, ( ) suffer any costly damage. [英検1級]
>正解 nor did their car
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>のように、they were not seriously injured の not をうけて nor がくるというような使われ方が一般的だと思うのですが、どうなんでしょうか。
>
>よろしくお願いします。
たしかに、(3)so was there を選んだ人が、16.0%いましたが、この選択肢は間違いであることはいうまでもありません。
「語法大辞典」の1-866《分詞→接続詞》に「肯定の節に続く nor(この nor の訳し方)◆」という質問がありますが、お尋ねの問題はこれにあたります。初めのところで、このような nor の用法は、頻度の大きいものではない、として、以下のような説明があります。以下、引用してみます。――前にくる肯定の節が形式上は肯定でも否定的な内容をもつときには、意味上否定が重なることになりますので、「…でもなく…でもない」の意味となります。
I remained silent, nor did he speak a single word.
私もものを言わなかったし、彼も一言もしゃべらなかった。
英検の問題文では、「その地域はいたるところ干上がったし」というのは、形式的には肯定文ですが、後の「雨がふる気配もなかった」と考え合わせると、「その地域はどこにも雨が降ってなかった」ということになります。
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