どこの教科書や参考書にも、
主語が3人称単数(I と you 以外の単数(he, she it や Jim, my sister など))で、現在を表す文では、一般動詞の語尾に -(e)s をつける。―New Treasure Stage 1より―
のようなことが書いてありますが、厳密に言うと、これは
間違いです。どうしてかというと――
□基本的なことから
book に -s をつけて books としたり、box に -es をつけて boxes とするのは、その名詞(もの)が1つより多くあるということを表します。複数形というのものです。1つより多くというのは、2つ、3つ、4つ、5つということですが、もう少し正確にいうと、1.5 のようなときにも複数形を使います。たとえば、1時間半は、one and a half hours と複数形になります。ところで、この -s -es は動詞に付くことがあります。たとえば、like (好き)に -s をつけて likes としたり、watch (見る)に -es をつけて watchesとしたりします。これは、「たくさん好き」とか「たくさん見る」ということではありません。これは、3単現(さんたんげん)の -(e)s とよばれるものです。3単現というのは、三人称、単数、現在のことで、このへんから中1で習う英語もややこしくなってきます。中学1年の英語学習の1つの難所といってもいいでしょう。
名詞につく -(e)s は複数を、動詞につく -(e)s は、その動詞の主語が、三人称、単数、現在を表しているのです。
まず、確認として、__英語の動詞には2種類ある__ということはいいでしょうか? be 動詞と一般動詞です。
□まずは、be 動詞ですが、
というように、同じ「〜です」という意味ですが、主語(〜は)が変わると、それにあった be 動詞(am か are か is)になります。
□そして、もう1つが一般動詞と呼ばれる動詞。(見る、行く、聞く、勉強する、歩くなどなど)ですが、be 動詞が3種類( am, is, are )があるのに対して、一般動詞は2種類( play, plays )あります。
要するに、日本語では、
・ 私はテニスをする。
・ あなたはテニスをする。
・ 彼はテニスをする。
のように、だれがテニスをしても同じ「する」という動詞を使いますが、英語では、
・ I play tennis.
・ You play tennis.
・ He play
s tennis.
というように、同じ play という動詞ではなく、彼がするときには、その play の後に -s をつけます。こういうのを三単現の s といいます。主語(〜が、〜は)が、ある場合(三単現)なら、このように動詞を変化させるわけです。
それでは、三単現というのは何かということですが――、
□三単現とは
いちばん簡単に三単現とはなにかを説明すると、以下のようになります。
[ ] is ......
〜は、
となるような空所に入る名詞はすべて三単です。(実をいうと、is は、be 動詞の3単現形です。ただ、原形に -(e)s をつけてないだけです)だから、
・
This is a pen.
・
That is a pen.
・
It is a pen.
・
He is a boy.
・
She is a girl.
・
Taro is a boy.
の下線部はすべて三単現ということができます。
また、以下の下線部の単語は、三単現ではありません。
×
I am a boy.
×
You are a boy.
×
We are boys.
×
They are boys.
×
Tom and Ken are boys.
□三単現の否定文・疑問文とその答え方
三単現の文の肯定文はわかりました。次は、否定文と疑問文、そしてその答え方ですが、それほどむずかしくはありません。
- |
三単現以外 |
作業 |
三単現 |
肯定文 |
You play tennis. |
動詞の原形に-(e)s |
He plays tennis. |
否定文 |
You do not play tennis. |
do に es をつけてdoes に |
He does not play tennis. |
疑問文 |
Do you play tennis? |
Do に es をつけてDoes に |
Does he play tennis? |
答え |
Yes, I do. / No, I do not. |
do に es をつけてdoes に |
Yes, he does. / No, he does not. |
いくつか注意点を書いておくと以下のようになります。
三単現の -(e)s がつくのは肯定文のみ。(だから、主語が3人称単数(I と you 以外の単数(he, she it や Jim, my sister など))で、現在を表す文では、一般動詞の語尾に -(e)s をつける。――は間違いなのです。)否定文や疑問文では、動詞に -(e)s はつけないで、Do (助動詞)に -es をつけて does とする。もちろん、does は助動詞なので、その後の動詞は、原形(なにもつけていない元の形)になります。以下のような文はよくあるまちがいです。
×Does he plays tennis? ( plays の s は消す)
×He does not plays tennis. ( plays の s は消す)
疑問詞を使った疑問文でも同じことです。