All societies that have ever existed have been based on the government of the many by the few, who have used their power to exploit the many in their own interest. The lives of most people have, as a result, been meagre, wretched and oppressed. What has induced the many to put up with this treatment? Force, no doubt, but not only force; for the moral sentiments have also been utilized, the rulers having throughout history made the laws, laid down the lines of education, and set the standards of public opinion, including those of right and wrong, to operate in their own interests. The consequence is that by merely obeying the laws and accepting the standards, the many tend to maintain the power of the few. Our ethical notions, then, are the prop of our ruler's power. This line of thought is first suggested by Plato in his Republic.
[早稲田大]
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◇ be based on 〜「〜に基礎を置いている」
1) Marriage shall be based only on the mutual consent of both sexes and it shall be maintained through mutual cooperation with the equal rights of husband and wife as a basis.(THE CONSTITUTION OF JAPAN> CHAPTER III: RIGHTS AND DUTIES OF THE PEOPLE> Article 24: )
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
◇ exploit 〜につけこむ、〜を搾取する
(derog) to use or treat sb/sth in an unfair and SELFISH manner for one's own advantage or profitf --Oxford advanced Learner's Dictionary
◇ interest ここではもちろん「利益」という意味。入試ではよく狙われる多義語。
The word "(interest)" means a sum of money that is paid as a percentage of a larger sum of money which has been borrowed or invested. [センター]
「利子」というのは、借りられたり投資されたりした多額のお金の利率として支払われるお金のことだ。
今回は、government を正しく訳してあれば合格です。「政府」と訳した人がかなりいました。しかし、All societies「すべての社会」that have ever existed「これまでに存在した」 have been based on the government 「 government に基礎をおいている」となっているわけですから、これまでに存在した社会、たとえば、ギリシャ時代の社会でも、江戸時代の社会でもいいわけです。しかし、「江戸時代の社会は、政府に基礎をおいている」とすると「政府」という訳語が明らかにおかしいのはわかるはずです。そしたら、その次にどうするか、ということが大切です。
suddenly は「突然」often は「しばしば」としか訳せない人がいますが、1対1対応で覚えているとたいへんな間違いをしてしまいます。単語の意味というのは、文の中に入って初めてきまります。
All societies that have ever existed have been based on the government of the many by the few, who have used their power to exploit the many in their own interest.
構文 S -- All societies ... V -- have been based M -- on the government ... the few, / s -- who v -- have used o -- their power ....
構文はむずかしくありません。All societies がこの文の主語、that have ever existed までが、all societies という名詞を修飾する形容詞節、もちろん、that は関係代名詞、have been based までが動詞、on the government of the many by the few は、副詞句、そして、その後の,(カンマ)は who 以下が直接 the few を限定するものではないことを示すためのもの。いわゆる関係詞の非制限用法。 who が関係代名詞、先行詞は、the few、have used が、動詞、their power が目的語、to exploit 以下は、不定詞の副詞用法、the many が exploit の目的語、in their own interest は exploit にかかる副詞句。
問題となる部分は、the government of the many by the few ですが、まず、the many は、the + 形容詞で、the many people のこと。the few も同じく the few people のことです。
そして、この A of B はいわゆる名詞構文になっています。
ここで、government を「政府」と訳すのではなく、元々は、govern 「治める、統治する」という動詞からできた名詞であることに注目すれば、それほど難しくはないでしょう。当然のことながら、動詞には(たとえ書かれていなくても)主語や目的語や補語などが必要です。 govern の場合は、だれが、だれを、govern するのか、逆に言えば、だれが、だれに、govern されるのかを考えていけばいいわけです。
A of B という形で、A が動詞や形容詞からできた名詞の場合、以下のような解釈ができます。
◇ A(元自動詞) of B
「 BがAすること」
the arrival of the train などという場合がそうですが、arrive というのは自動詞ですから目的語をとりません。だから、 the train は主語以外に考えようがありません。
ちょっとややこしいのは、他動詞の場合で、
◇ A(元他動詞) of B
この場合は、
@「 BをAすること」
Columbus' discovery of America コロンブスがアメリカを発見したこと
のように、他動詞なのですから、その目的語が次に来るのは自然です。このような場合が圧倒的に多いのですが、たまに、以下のような例があります。
A「 BがAすること」
the love of a mother for a child 母親が子を愛すること
まとめると、A of B は、「 BがAすること」か「 BをAすること」という二通りの解釈ができるということです。
さて、
the government of the many by the few
ですが、、ここでは、by に注目すると、これは受動態などで「動作主」を示すものです。たとえば、The letter was written by John. という文は、元々の文で主語だった、John が by の後に来ています。だから、by the few も元は主語だったわけです。主語が the few ですから、残りの the many は目的語ということになります。
元の文として、
the few governs the many
という文が考えれます。あるいは、こんな考え方も可能でしょう。
the government of the many by the few
of the many を主語と考えることもできます。そうすると、
the many is governed by the few
という文が元の文になるでしょう。実際、他動詞からできた名詞は、「〜すること」と訳すことも、「〜されること」と訳すことも可能です。
以上のことから、the government of the many by the few 「少数が多数を統治すること」と訳すことができます。
レファレンス――名詞構文 A of B ミクロの文型(準備中)
今まで存在してきたすべての社会は、民衆を少数の人間で支配することを基礎としています。そしてその少数の人間は権力を行使し、自分達の利益のために民衆から搾取を行ってきました。(awaさん、高2)
評価:9/10
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他の訳(下参照)に比べて、訳文は冗漫ですが、大きく間違ったところがないので、これを最優秀の訳として選びました。この訳なら、おそらく模試や入試では満点を取れると思います。この調子でがんばってください。また、この英文なら、文体は「です、ます」と丁寧調よりも「だ、である」と断定調のほうがいいでしょう。
○ 少数による多数の支配というのは、これまでに存在したあらゆる社会に通底する。そしてその少数の支配者は、自己利益のために、残りの大多数をこき使ってきたのだ。(NTさん)
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×大変すばらしい訳です。ただ1つ、「こき使ってきたのだ」が気になりました。ここさえあっていれば、この訳が一番すぐれた訳だと思います。
○これまでに存在した全ての社会は、少数の人が多数の人を支配することを基本としてきた。この少数の人とは、自分たちだけの利益の為に多数の人を搾取する目的で自身の権力を使用してきた人々のことである。(直己さん、社会人)
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×「人々のことである」が気になりました。
○ かつて存在したあらゆる社会は、少数の者が大勢の者を統治するという仕組みのうえに成り立ってきた。そして、その選ばれし少数の者たちは、己の権力を利用して民衆を食い物にしてきたのである。(meekさん、社会人)
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×「選ばれし」とは原文には書いていないのでは?
これまで存在した社会は、すべて少数者が多数者を支配するという仕組みの上に成り立ってきた。そして、少数者は、権力を行使し、自己利益のために、多数者を搾取してきた。
(管理人・訳)
ポイント:
既に存在する全ての社会は、その多くが少数人数による政府に基づいている。彼らは彼ら自身が有益になるように多くの力を費やしてきた。(naokoさん、高3)
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評価:0/10
×既に存在する全ての社会は →「存在する」と現在形にしてしまうと、今現在ある社会という意味になってしまう。これだと、たとえばギリシャ時代の社会は含まれないことになる。「これまでに存在したすべての社会」という意味。
×その多くが →すべての社会の多くが、と読めてしまうが、これは誤り。
×少数人数 →少人数
×政府 →前出
×有益になるように →「彼ら自身が有益になる」だったら、少数者(搾取している人々)が、みんなの役に立つようになろうとしているという意味になって、反対のことを言っていることになる。「有益」と「有利」ではかなりちがいます。
×多くの力を
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全体的に不正確すぎます。(><) この英文を最後まで読んでみると、下線部訳のヒントがいろいろと隠れています。参考にして、見直してください。
× かつて存在していた社会は自分たちの利益のために力を注いできた政府が基礎になっている。(いなんさん)
× これまでに存在したすべての社会は、少数者が支配する大衆の政府に基礎をおいている。そしてその少数者は利己的に一般大衆を搾取するために権力を行使してきたのである。(taiyakiさん)
× かって存在した全ての社会は、限られた数の支配者に支配された政府(ただし政府は大多数の人々を代表しているのだが)を基礎としていた。支配者達は、自分達の権限を用い、自らの利益のために大多数の人々を食い物にしてきた。(小澤さん)
参考:
かつて存在した社会はすべて、少数(彼らは自分の興味での多数開発するためにそれらの力を使用した)によって多数の政府に基づきました。
(エキサイト翻訳)
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評価:0/10
全訳:準備中