お勧め文法書

以下は、高校生のために書いてみたものですが、TOEICにおいても、500点以下の人は、基本的な文法力に問題があると思われますので、一度、学習者用の文法書を通読してみることをお勧めします。
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 今まで、なんとなく高校生には文法書は「総合英語Forest」を勧めていた。この本を通読したのはずいぶんと前なのだが、それほど悪くないと思ったし、また、評判はかなりいいみたいだ。だから、なんとなく、学校指定の文法書がない場合には、フォレストを勧めていた。

 ところが、この前、生徒といっしょに仮定法現在のところを調べていて、フォレストは本当に良書なのかと疑問が生じてきた。他の文法書とくらべてみて、今後はフォレストをすすめるのはやめようと思った。

――どういうことかを説明する。まずは、仮定法現在というのは何かという説明から入ると、例えば、こんなふうに出題される。

The Senate demanded that the President (  ) the truth.    [天理大]
☆(1) tell (2) tells (3) told (4) has told
上院は大統領に真実を言うように要求した。

正解は、もちろん、(1) tell だが、仮定法現在の特徴がわかってない生徒は、the President は三単現だから、(2) tells としたり、主節の動詞が demanded と過去になっているので、(3) told としたりする。
例えば、この問題を

The Senate demanded that they (  ) the truth.

のように that 節の中の主語を they にしたらどうだろう? 時制の一致だと思った生徒は、told とするだろうし、そうではないと思った生徒は、tell とするだろう。仮定法現在とわかっている生徒も tell とする。つまり、わかっている生徒もわかってない生徒も同じ答えを選ぶことになるのだ。これはいい問題とは言えない。

だから、このような問題は、that 節の中の主語を三人称単数にしておくべきだ。

ここで、「総合英語フォリスト Forest 6版」を見てみると、以下の例文をあげてある。

I suggest that you should stay at the hotel.
そのホテルに泊まることをお勧めします。
He insisted that I should come to the meeting.
彼はその会議に出ることを要求した。

という2つの例文をあげてある。that 節の中の主語がどちらも三人称単数ではない。しかも、should をつかっているが、これは《英》用法の特徴だで正しいことは正しいのだが、大学入試問題としては、この用法よりも、圧倒的に動詞の原形が来るということを問う問題が多い。
そのことは、ちょっと後にこのように書いてある。

should を用いずに、動詞の原形を用いる この構文では、should を用いずに、<動詞の原形>を用いることも多い。
She suggested that we share the cost of the meal.
彼女は食事代を割り勘にしようと提案した。

やはりここでも、we という主語にしてあるので、次の share が動詞の原形であることは分かりにくい。
もう1つフォレストのまずいことは、このような仮定法現在が使われる環境について、

提案・要求・決定などを表す動詞の続く that 節では should が用いられる。この構文で用いられるおもな動詞は以下のとおり。

として、advise, decide, demand, insist, order, propose, recommend, request, suggeest という動詞しかあげていない点だ。
フォレストの仮定法現在の説明はこれでおわりになってしまっている。
しかし、入試では、

It is imperative that every one of them (  ) the order.  [大東文化大]
(1)obeyed (2)would obey (3)will obey ☆(4)obey (5)has obeyed

のように、It is 形容詞 that … という形でも、仮定法現在が使われる。

さらに、

Simon demanded that he (  ) given his uncle’s watch for his memory.    [愛知工大]
(1)is ☆(2)be (3)has been (4)had been

のように、that 節の中が be 動詞だったら、動詞の原形なので、be になるということについても言及されていないし、そもそも、どうして、仮定法現在では、動詞の原形が使われるのかも説明がない。

高校生が使っている他の文法書はどうなのだろうと思って以下の文法書を比べてみた。

○ZESTAR総合英語
○ブレイクスルー総合英語
○INSPIRE 総合英語
○デュアルスコープ総合英語
○Broad ブロード総合英語
○シード総合英語
○英文法詳解 杉山忠一
○WILL総合英語
○マスター英文法 中原道喜
○徹底例解ロイヤル英文法
○英文法総覧 安井稔

マスター英文法、徹底例解ロイヤル英文法、英文法総覧については、かなり厚い本なので、学校でよく使われているものを比べてみると、ブレイクスルー総合英語が際立ってよかった。どうして、動詞の原形が使われるのかということについても、
「ブレイクスルー総合英語」には、その理由として、まだ実現していないことを提案、要求するという意味が含まれる」と説明されている。

ということで、今後は、生徒には、「ブレイクスルー総合英語」を勧めることに決めた。
もちろん、この比較は、「仮定法現在」の部分だけを比べただけだ。フォリストは、たまたまこの部分だけ、説明が不完全なのかもしれない。他の単元については、抜群にいいのかもしれない。しかし、神は細部にやどるともいう――。
フォレストのように評判がいい本でも、実際に比べてみると、このようなことがあるのだ。

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