動名詞と現在分詞の形容詞用法

TOEIC テスト新公式問題集 43p.からの問題です。

All passengers should present their (  ) documents at the check-in counter.
(1) boarded (2) boarding (3) to board (4) boards

もちろん、空所に入るのは、(2) boarding が正解です。問題文の意味は、「乗客は全員、チェックインカウンターで搭乗券などを提示しなければならない」です。
ここまではいいのですが、公式問題集の解説は、以下のようになっています。

board は動詞で「搭乗する」。document は名詞で「書類」。動詞を使ってあとに続く名詞を修飾する場合は現在分詞か過去分詞を使う。この場合は「搭乗するための書類」の意味なる現在分詞が適切。boarding documents は搭乗券、パスポートなどの必要書類を示す。

残念ながらこの解説は間違いだというしかありません。boarding documents の boarding は現在分詞ではありません。現在分詞の形容詞用法というのは、例えば、
Look at the boy painting under the tree.
木の下で絵を描いている少年を見なさい。
のように、painting under the tree が boy を修飾しているものです。the boy と painting under the tree の間に、be 動詞を入れて、the boy is paiting under the tree とすることができます。つまり、painting under the tree の意味上の主語は、それが修飾している the boy なのです。これは、過去分詞になっても同じことです。
The guests invited to the party were all women.
パーティに招待された客はすべて女性であった。
においても、the guests were invited to the party という関係があって、invited to the party されたのは、the guests です。
分詞の形容詞用法とそれが修飾する名詞(先行詞といってもいいでしょう)にはこのように、先行詞が主語で、分詞が述語という関係があります。これは、なにも分詞に限ったものではなく、形容詞と名詞だって同じことです。the red flower には、the flower is red という関係があります。

ところが、their boarding documents という時、their documents are boarding (board は乗り物に乗るという意味です)という関係はありません。だから、これは分詞の形容詞用法ではないということになります。それじゃ、何かということになりますが、TOEICの参考書などには、名詞を修飾するのは形容詞と書いてありますが、これはあまりにも単純化しすぎです。名詞を修飾するのは、かならずしも、形容詞だけではありません。
例えば、
a car key 車の鍵
a stone bridge 石橋
consumption tax 消費税
のように、名詞が名詞を修飾することだってあります。名詞の形容詞用法と言ってもいいでしょう。
同じように、名詞ではなく、動名詞が名詞を修飾することもあるのです。
1. a sleeping baby / a walking man / waiting people / boarding passsengers
2. a sleeping bag / a walking dictionary / a waiting room / boarding documents
上の例において、1. は分詞で、2. は動名詞です。1. の場合は、意味上の主語は、後の名詞です。赤ちゃんが眠っているわけです。しかし、2. の場合は、動名詞で、これは、「用途・役割」を表しています。決して、袋が眠っているわけではありません。

――ということで、今回は、動名詞と分詞の形容詞の違いは、意味上の主語で見分けるということでした。この意味上の主語は、動詞が
あるところ、または、準動詞があるところ、形容詞があるところ、動詞由来の名詞があるところでは、重要になってきます。その話は、また、どこかで。

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