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【715】■8.5/10■
 管理人  - 06/1/16(月) -

引用する
   ▼真理さん:
>

赤頭巾が祖母を訪ねると、狼が祖母に代わっているのがわかります。いつも赤頭巾を心配してくれる優しいその人物は、危険で破壊的な生き物に入れ代わってしまっています。この話を特別に不安をかきたてるものにしているのは、この入れ代わりなのです。思いもかけない狼との出会いは人を怖がらせるのに十分な出来事です。しかし、ひとが愛する祖母がこの恐ろしい獣に代わっているのがわかるということは、この状況に対し、人が頼りにしている人物への信頼が突然消滅することから生ずる基本的不安感があるということを付加するものなのである。


>
>              真理 浪人
> お願いします。
>
> that basic insecurity・・・・には動詞がないのでbeを補いました。難しいですここは。

たいへん遅くなってしまってもうしわけありません。

■総評■
When Red Riding Hood ... frightening enough, but まではこのままで問題ありません。よくできています。その後のところも、文法的な解釈は間違っているようですが、訳のほうは間違っていませんでした。ということで、このレベルは合格です。


■間違い■
×ひとが愛する祖母
one's loving grandmother の one's はふつう「自分の」と訳します。「ひとが愛する祖母」というのは、意味不明です。(ひと=他人?)ここの文型は、「祖母があなた(自分を)を愛してくれる」となります。one's となっているのは、最初のところは赤頭巾の話をしていたのが、この辺からは、そこから離れて、一般的に入っていますから、だれについても言えることだが、と言う感じで、one's としたものです。your loving grandmother と言ってもかまいません。

△この状況に対し、人が頼りにしている人物への信頼が突然消滅することから生ずる基本的不安感があるということを付加するものなのである。
ちょっとたどたどしいかな? 「不安感があるということを付加する」は、「があるということ」は削除して、「不安感を付加する」としたほうがいいかも。しかし、意味は取れます。ここの文法的解釈は間違っていると思いますが、訳のほうは正しくとれているようです。

△基本的な
減点はしませんが、「根本的な」、「根源的な」とするほうがいいでしょう。心の底からの不安ということです。


■文法■

>that basic insecurity・・・・には動詞がないのでbeを補いました。難しいですここは。
これは解釈が間違っています。 be 動詞を補う必要はありません。ややこしいのが that で、これは the と同じで後から何らかの形容詞(句・節)で意味を特定しますという印です。予告の the などと書いてある参考書もあります。その the のかわりに that や those (後の名詞が複数形の場合)を使うことがあります。


文の構造は以下の通りです――。

[to find ...] is [to add to the situation that basic insecurity ....]
文全体は、to find ... が主語、is が動詞、to add ... が補語。「〜だとわかることは、〜である」という意味です。

主語を詳しく見てみると、find が動詞でこの目的語が後のthat 節、that 節の中身は、one's loving grandmother が主語、has turned が動詞、into this terrifying beast が副詞句。「自分を愛してくれるおばあちゃんがこのような恐ろしい野獣に変っているとわかることは」という意味になります。

むずかしいのは、補語の部分で、
to add が動詞で、その目的語が少しとんで、that basic insecurity ... relies まで。そして、to the situation は副詞句。つまり、これは、add A to B (A を B につけ加える)の A の部分が長すぎるために、右方向に移動したもの。ここまでの訳は、「その状況に根本的な不安感をつけ加えること」ということになります。

その状況とは、To meet a wolf unexpectedly ということです。これだけでも恐ろしいのに、それにもって、おばあちゃんがオオカミに取って代わられたとわかる、そのことが To meet a wolf unexpectedly という恐怖にさらに根源的な不安感を上乗せするということです。

add の目的語はとても長いが、修飾語がついているだけ。
that basic insecurity が add の目的語、which ... a person までが insecurity を修飾する形容詞節、upon whom one relies が a person を修飾する形容詞節。

参考:右方向への移動に関して――以下は、「新英文法選書・第10巻 談話の構造」を参考にしました――* 印は引用
* ある要素が通常の語順で生じる位置よりも文末に近いところに現れた場合には、それが新情報、あるいは伝達上他の要素より重要な内容をもつことになる。逆に言えば情報価値の高い要素が右に動かせるのである。

□ふつう、I called up the man. とも I called the man up. とも言えますが、the man の情報量が多くなると、
○ I called up the man I met in Boston.
× I called the man I met in Boston up.
のように、up を右に移動することはできません。

□課題文と同じタイプの移動は、
I confessed <to him> the difficulties I had found myself in.
私は彼に自分が苦境に陥ったと告白した。
本来なら、I confessed the difficulty .... to him. となるところを長いので(つまり情報量が多い、つまり新情報)文末に移動したもの。

□SVOC → SVCO
They did not make known the fact to the parents.
彼らはその事実を両親に知らせなかった。


■訳例■
 赤頭巾がおばあちゃんを訪ねると、オオカミがこともあろうにおばあちゃんに取ってかわっていることに気づく。自分を守ってくれる優しい人が、危険で危害をもたらす生き物に取って代わっていたのだ。この物語をことさら不安なものにしているのは、このように人物が入れ代わる点である。不意にオオカミに出会うことだけでも十分ぞっとするできごとだが、自分を愛してくれるおばあちゃんがこのような恐ろしい獣に変っていると気がつくことは、この状況に、信頼している人間を突然信頼できなくなることから来る根源的な不安感が、加わることになるのだ。


下線部をもう少しわかりやすい日本語にすると、これは主語が無生物なので、原因→結果と考え、「……気がついて」としてもいいでしょう。また、もう少し後半を変えて、「……気がついて、信頼している人間を突然信頼できなくなり、この状況がさらに根源的に不安なものになるのだ」とすることも可。

ところで、もうすぐセンターですが、体に気をつけてがんばってください。I'll keep my fingers crossed for you. (*^_^*)
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【184】レベル6 When Red Riding Hood visits her 管理人 04/3/17(水) レベル6
┗ 【708】Re:レベル6 When Red Riding Hood visits her 真理 06/1/7(土)
┗ 【715】■8.5/10■ 管理人 06/1/16(月)
┗ 【716】有難うございました 真理 06/1/16(月)
┗ 【717】Re:有難うございました 管理人 06/1/16(月) がんばれ、がんばれ

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