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前のところ([#150])で、
(2)英文に書いてあることを訳す
当然のことですが、和訳するように指定された英文に書いてある単語、語句は、すべて和訳中に反映すべき。
と書きましたが、これはもちろん原則です。英語の単語でも日本語には訳さないほうがいいものもあります。例えば、代名詞がそうです。
代名詞というのは、人称代名詞(I, my, me, mine など)、指示代名詞(this, that など)、不定代名詞(some, one など)、のことですが、例えば、<br>
I have a book in my hand. を「私は私の手に本を持っています」なんて訳す人はいないでしょう。文法的には間違いではないでしょうが、こんなことをいう日本人はいません。
They say that the HIV infectious disease is spreading quickly.
「HIV感染症が急速に広がっているそうだ」
という場合の、代名詞 They も訳さないほうがいいでしょう。
そもそも代名詞というのは、前に出た名詞をうけるものですから、すでに読者には提示されているわけです。日本語では、誤解が生じない限り、こういうものをわざわざ書きません。「彼」「彼女」という代名詞だって、完全には日本語にはなりきっていません。一番いいのは、訳さないことですが、どうしても訳さないといけないなら、「あの娘」とか、名前で訳してみてもいいでしょう。
高校生の和訳を見ていて、下手だなと思う大きな原因のひとつは、代名詞をわざわざ訳してしまっていることにあります。とにかく、代名詞は極力訳さない、ということです。
その他の和訳のヒントは、[#?和訳のヒント]から――
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