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     |  | ▼awaさん: >▼管理人さん:
 >>The Three Laws of Robotics:
 >>1. A robot may not injure a human being, or, through inaction, allow a human being to come to harm.
 >>
 >>2. A robot must obey the orders given it by human beings except where such orders would conflict with the First Law.
 >>
 >>3. A robot must protect its own existence as long as such protection does not conflict with the First or Second Law.
 >>
 >>From Handbook of Robotics, 56th Edition, 2058 A.D., as quoted in I, Robot.
 >
 >ロボット三法:
 >1.ロボットは人間を傷つけたり、活動しないことによって人間に被害を与えたりしてはいけない。
 >
 >2.ロボットは1番の法に反するような場合を除いて、人間に与えられた命令には従わなくてはいけない。
 >
 >3.ロボットは1、2番の法に反しない限りで自分自身の生活を守らなければならない。
 >
 >A.D.2058年 第56版ロボット工学の手引きより、「1.ロボット」 から引用。
 >---------------------------------------
 >awa なんとか高3です。
 
 ■総評■
 ずいぶんと遅くなって申し訳ないです。さっそく、今回の課題ですが、特に英文の文法を誤解していることが原因の間違いはありませんが、訳語がかなりずれていました。例えば、law という単語は、辞書を見ると、法律、法(学)訴訟、警察、慣習、規則、摂理、法則、原理などといろいろな訳語が並んでいますが、どれを選択するか、もう少し慎重に選択するようにしてください。それから、この The Three Laws of Robotics なるものは、[#285]でも紹介してありますが、SFや科学エッセイを書いたアジモフが「われはロボット」というSF小説の中で使っているものです。
 
 ■間違い■
 ×活動しないこと
 →「活動」は、activity 、inaction は、「何もしないこと」「行動しないこと」といっても、イメージがわかないかもしれませんが、例えば、視覚障害のある人が盲導犬ロボットと歩いている。前方のマンホールの蓋が外されていて、そのままでは落ちてしまう。そういう場合、ロボットは、危機回避をするために何かしなければいけないということです。
 ×法
 →「法」というの法律の集合のことを言いますが、ここでは3つの文があるだけなので、「原則」くらいが適当。非核三原則なんていうのを思い出してもよかったかも。
 ×生活
 →ロボットに「生活」というのはちょっと変なのでは? やはり existence とあるのですから、「存在」でしょう。
 
 >最後のas quoted in I,Robot:
 考えすぎたかもしれないです。Iが「私」だと文法がおかしいと思ったので、別の訳を考えました。
 ×1.ロボット
 →全角数字の1と半角英数字の I は違います。I, Robot は、このロボット三原則が掲載されている「われはロボット」というSF小説のタイトル。これは、 I am a robot. というのが元々でしょうが、ちょっとロボットのぎこちない喋り方を出すために be 動詞と冠詞を抜いたものだと思われます。小説のタイトルとして、 I am a robot. ではありきたりすぎますからね。
 
 ■文法■
 ● 2. A robot must obey the orders given it by human beings
 下線部、先日のメールでは、given to it ...が正しいと書いてしまいましたが、その後、検索してみると、
 =================
 (1) must obey the orders given it by human beings except ――約 819 件
 (2) must obey the orders given to it by human beings except ――約 60 件
 =================
 という結果が出ました。どちらでも文法的には間違いないのですが、オリジナルは、to のない(1)のようですね。
 少し文法的な説明をしますと、「ジョンはメアリーに本をあげた」という言い方は、英語では、以下の2通りの言い方が考えられます。
 (1) John gave the book to Mary.
 (2) John gave Mary the book.
 (1)の文の受動態は、
 →The book was given to Mary.
 で、
 →×Mary was given the book to.
 というのは間違いです。
 
 (2)の文はいわゆる SVOO で、この場合は、2通りできます。
 →Mary was given the book.
 →The book was given Mary.
 
 The book を主語にした受動態は、以下の2通りの言い方ができます。
 →The book was given to Mary.
 →The book was given Mary.
 to がある上のほうは、less formal で、下のほうは、formal な感じがします。この文の was をとってみると、
 →the book
 wasgiven to Mary→the book
 wasgiven Mary下線部が the book を修飾して、「メアリーがもらった本」という意味になります。
 課題文の the orders given it by human beings も、
 →the book given Mary
 の場合とまったく同じです。ここは「ロボット3原則」とあるように法律を模した形で書いてあるので、正式の(形式ばった)かんじがする to のないほうを選んだと思われます。
 >2番:
 >[given it by human] の it が何のことか分かりませんでした。
 もちろん、it = the robot のことです。
 
 ● except where such orders would conflict with the First Law.
 except は「〜を除いて」という意味の前置詞。ここでは、where ...Law までの節を目的語にしている。where は先行詞を含んで名詞節を導く関係副詞。
 =================
 cf. She is never cross except when she is tired.
 彼女は疲れた時以外は決して怒らない。
 cf. This is where I live.
 ここが私の住んでいる所です。
 
 ■訳例■
 ロボット三原則
 1 ロボットは人間を傷つけてはならない。また傍観することによって人間に危害をひきおこしてもならない。
 2 第1原則に抵触する場合を除いて、ロボットは、人間の命令に従わなければならない。
 3 ロボットは第1原則、第2原則に抵触しない限り自分の身を守らねばならない。
 ――2058年「ロボット工学ハンドブック」第56版より(「われはロボット」)
 ※和訳は、「ロボット工学三原則」と検索すればいくつもヒットするので、参考にしてください。
 
 ■参照■
 ――アジモフ関連のリンク
 プロフィール
 http://www.geocities.com/Area51/Dimension/1136/pages/authors.html
 
 
 
  【r60.gif : 0.6KB】
 
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