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次の日本文の下線部(1)〜(4)を英訳しなさい。
(1)日本ではよく「フランス人は英語を話してくれないんでしょう?」と聞かれるが、現在は必ずしもそうではない。(2)大都市の観光客向けの店では、まず英語で用が足せるし、日本人と見ると英語で話しかけてくるフランス人も少なくない。今日、フランスのエリートたちは当たり前のように英語を操る。一般のフランス人の間での英語学習熱もかなりのもので、地下鉄に乗れば英会話学校の広告が目に留まり、書店には英語学習書が山積みになっているのは日本と同じである。努力のわりにはあまり上達せず、発音が悪い(人が多いようである)のも、日本人と似ている。
(3)国際的なコミュニケーション言語としての英語の重要性はフランス人も認識しているということである。世界を相手にビジネスするにはフランス語ではなく、英語が必要なのだ。かつて欧州各国の宮廷で使用され、国際的な教養語、外交語としての地位を誇ったフランス語にとっては面白くない話には違いないが、現実の必要には逆らえない。英語を用い、世界中の人々と意志を通じ合えれば、確かに便利である。(4)しかし言語はコミュニケーションの道具であると同時に、自己のアイデンティティのよりどころである。この言語による文化的アイデンティティの重要さを強く意識しているのもフランスなのである。
――大分大学 前期日程/経済学部(2月25日実施)――2006年
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