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次の文章を読んで、設問に答えなさい。
小鳥を手のりに育て上げることが夢であった。インコや文鳥を買ってきては何度もやってみた。なかなか思い通りにいかない。性懲りもなく、3ヶ月前からまたインコを飼いはじめた。今度は上手(うま)くいきそうだ。こう書いている間も、私の肩の上にちょこんと止まっている。このたびの出会いはとても嬉しいが、少し不安でもある。なにしろなついてくれた鳥はこれまで一羽もいなかったのだから。
なついてくれなかったことにはそれなりの理由がある。私が乱暴だったのだ。頭をコツンとたたくし、嘴(くちばし)をパチンとはじくし、さらにむごいことに、泣き叫ぶのもかまわず水浴びまでさせていた。こちらとしてはしつけのつもりでいたが、鳥からすれば非常なヤツにみえたのかもしれない。これまでに飼った鳥たちが、隙あらば逃げ出したいと思ったのも無理もない。
しかしそれでも、この飼い方が正しいとは私は信じている。だれがなんと言おうと、主人は人間のほうだから、鳥の分際でつついたり、かんだりするなんて言語道断である。それほど鳥好きでもないワイフに同じことをして厄介者扱いされるようにでもなったら、鳥のほうから逃げ出さなくても、私のほうから鳥にお別れをしなければならない。一見残酷にみえることも、要するに、それは私の愛情がそうさせるのである。それにしても、生きものとの付き合いはムツカシイ。
1. 解答欄に示された書き出しに続けて、下線部を英語に訳しなさい。
(変種部注:書き出しは The encounter とある)
2. 近年の動物生命観からすると、小鳥に対する筆者の態度は動物虐待(animal abuse)であるいとも考えられます。動物虐待になるかならないか、あなたの考えとそう思う理由を述べなさい。全体として30〜40語の英文で書きなさい。
――金沢大学 前期日程(2月25日実施)――2005年
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