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次の日本文(A)と(B)の下線部の意味を英語で表しなさい。ただし、(B)では、舞楽部の志願者は(イ)を、文学部以外の学部の志願者は(ロ)を選んで解答しなさい。
(A)(すべての学部の志願者)
この数年間、私の心を大きく占めたのは、「時間の使い方」ということでした。人間の一生というけれど、結局それは「今」という時間の集積ではないか。充実した人生というのは、必ずしもその長さによるのではなく、密度の濃さにかかっているのではなかろうか。そういったことにこだわったように思います。時間の使い方は、そのまま、生命の使い方なのだ、私という人生の質は、それを形成する時間の質にかかっていると気づいたのは、やはり自分が、”残された”時間を考える年齢に達したからなのかも知れません。
(B)(イ)(文学部の志願者)
日本人はきれいな発音の英語に固執しすぎるが、世界には聞いても理解しがたい英語もある。だがそれでも立派に通じる。要は、話している内容に中身があるかどうかが大事なのだ。特に、会話が弾み、本当に腹圧名ことを伝えたいときには、いわゆる「英会話」の能力よりも正確に読み書きできる英語の能力の方が問われる。
(ロ)(文学部以外の学部の志願者)
子どもの頃のわたしは本を読むことは好きだったが、定められた勉強は嫌いだった。そのことを、とても苦にしていた。どうやらいまだに自分は子ども時代の強迫観念からのがれられずにいるらしい。そう考えると可笑しさがこみ上げ、それに誘われるように、長い間想い出すこともなかった子どもの頃の情景が次々に心によみがえってきた。そうした心象風景のひとつひとつは、不思議なくらいに書物の記憶と結びついている。
――大阪大学 前期日程(2月25日実施)――2003年
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