新しい英文法 *

○はじめに

あなたはいまどんな状態でしょうか?
どんなイメージを英文法に対して持っているでしょう? 英文法はなんだかややこしくて、覚えることがたくさんあって、どうもよくわからない、なんだか、へんな文法用語ばかりで、よくわからない。一応、点はそこそこ取れるが、まだまだ穴があって、わからない単元がある。などなど、人によっていろいろでしょうが、おそらく英文法はなんだかややこしい、というイメージはだれもが持っているのではないでしょうか?
英文法を山にたとえてみると、こんな状態かもしれません。朝から山に入って、がむしゃら歩いていたら、いつの間にか迷ってしまった。あたりは、見通しが悪くて、いったいどっちの方向に進めばいいのかもわからない。しかし、あと数時間で太陽が沈んでしまうので、早いところ下に下りたい。地図があればいいのだが、それも持っていない。コンパスもない。しかし、歩いていないと不安なので、とにかく、下に向かって歩いた。そのうちに、道がなくなってしまって、滝になって、そこからはロープがないと下れない。また、道を引き返す。しかし、さっきのところまで戻れない。
山で遭難死する原因の多くは疲労によるものだそうです。あせってしまって、体力も考えずにやたら歩き回るわけです。しかし、方向も何もわかっていないので、ますます迷うだけです。いくらがんばって英語を勉強してみても、なかなかテストの結果としてはあらわれないときはそんな気持ちでしょう。しかし、そんな時、もし、地図とコンパスがあれば、自分の位置を知ることができます。全体像がわかれば、今自分はどっちの方向へすすめばいいのかがわかるでしょう。
長くなりましたが、この講座は細かい英文法よりも、まずはそういった全体像を提供したいと思っています。

○今までの英文法

今まで勉強してきた文法はおそらくどれも品詞や語、句、節、そして5文型から始まって、動詞、時制、受動態、不定詞、動名詞、分詞、助動詞、仮定法……などと各単元を進めていくやりかたでしょう。学校でも、塾や予備校でも、そして、自分で勉強している問題集ででも、大なり小なり同じような構成になっているはずです。――しかし、果たしてそれでわかったでしょうか? 英文法はこんなものなのだという感じがつかめたでしょうか? 英文法を山に譬えるなら、山頂に立ってパノラマのようにとらえることができるでしょうか?
英文法というのは、いわば立体です。いつも同じ視点から見ていてもその正体は見えてきません。今までの勉強のしかたは一方向から英文法を見ているにすぎません。おそらくまた同じように英文法を勉強してみても、わかった!そういうことだったのか!とはならないでしょう。英文法は、たとえば、縦糸と横糸でできています。今までのように、文 名詞 冠詞 代名詞 疑問詞 形容詞 副詞 比較 動詞 時制 助動詞 不定詞 分詞 動名詞 法 態 接続詞 関係詞 前置詞 一致 自制の一致と話法 否定 倒置・省略・強調・挿入 文の転換といったように各単元を勉強するのは、いわば縦糸をたどっているだけです。これでは、たとえば、関係詞と名詞と副詞の関係がわかりません。各単元は横糸でもつながっているわけです。一度、違った方向から見れば、よりいっそう英文法の理解が深まるはずです。

新しい英文法

たとえば、以下のような問題があります。いずれも実際の大学入試に出題された問題ですが、いかがでしょうか?

代名詞
They sent letters (  ).
(1) each other (2) one another (3) to one another

副詞
(  ) students wear uniforms. [福岡大]
(1) Almost of (2) Almost the (3) Almost of the (4) Almost all the

比較(倍数表現)
You can get (  ) you want.
(1)as much as water (2)as much water as (3)water as much as (4)as water as

助動詞
Why (  ) come tonight? [成蹊大]
(1) need he to (2) needs he (3) does he need (4) need he

不定詞
To compound the problem, kanji looks so difficult, so impossible to learn. (同じ用法のものを下から選びなさい) [関西大]
(1)To keep early hours is good for your health.
(2)I was shocked to hear the news.
(3)Be careful not to lose this key; I don't have another one.
(4)To make matters worse, her husband died.
(5)She has a lot of money to go abroad.

動名詞
I don't mind leaving at six o'clock: (  ) up early. [センター]
(1) I used to getting (2) I was used to get (3) I'm used to get (4) I'm used to getting

疑問詞
(  ) do you like your new teacher? [拓殖大]
(1)How (2)Who (3)Which (4)What

特殊な疑問文
(  ) do you think she tamed this tiger? [同志社大]
(1) How (2) What (3) Which (4) Who

間接疑問文
Let's have a look at (  ). [立命館大]
(1)how the weather will be like (2)what the weather will be like (3)how is the weather going to be (4)what will the weather be like

関係詞
This is the reason (  ) he gave for his stupid behavior.
(1) why (2) which (3) of which (4) for which

複合関係詞(〜ever)
Tom is selfish. He thinks he can do (  ) he wants. [京都外語大]
(1) however (2) whichever (3) whenever (4) whatever

接続語
He knew that he was taking himself into trouble. He, (  ), had no choice but to do it.
(1)but (2)despite (3)however (4)regardless of

多義語 but
Life is but an empty dream. (同じ用法のものを選べ) [青山学院大]
(1) There is no man but loves his home.
(2) We go to school every day but Sunday.
(3) It never rains but it pours.
(4) This took him but a few minutes.

何問正解できるか試したい人は、 こちらからどうぞ。クリックすると、新しいウィンドウが開きます。

 さて、従来の参考書や問題集では、これらの問題は別々の単元のところで学習します。代名詞、副詞、比較、助動詞、不定詞、動名詞、疑問詞、特殊な疑問文、間接疑問文、関係詞、複合関係詞、接続語、多義語――といったところですが。しかしながら、もし、この問題がすべて同じ原則で解ける(または、解くための手助けとなる)としたら、どうでしょう? 1つの原則、しかも最も基本的な原則で解けるとしたら――。実は、これらは簡単な原則をわかっていれば解けるのです。
詳しくは、問題を解いてから、以下の動画を御覧ください。





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